てくまりんぼ原田奈美子です。

100年前のウェディングドレスをリメイクさせて頂いたお客様からとても素敵なメッセージとお写真を頂戴しましたのでご紹介させていただきます。

1909年にアメリカで作られ、母、娘、孫と3世代に渡り着用されたドレスです。

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■お客様からのメッセージ■

てくまりんぼ原田様
猛暑が続いておりますがお変わりありませんでしょうか。
ウェディングドレスのリメイクでお世話になりましたTです。

大変ご連絡が遅くなってしまいましたが、6月3日、晴天の下無事挙式を迎えることができました。

体調の方もギリギリでほぼ回復し、素晴らしいドレスで楽しい一日を過ごすことができました。ほぼ同じ時代に生まれたせいか、会場の雰囲気とドレスとが本当にぴったりで、ゲストや写真を見た方々からも大変好評を頂きました。

挙式の際のカメラマンの写真が届きましたので、お送り致します。

てくまりんぼさんと那須さんのお力でここまでよみがえらせていただき、ドレスも喜んでいると思います。

引き振袖にお色直ししたため、披露宴に入ってからすぐに着替えなければならなかったのがとても残念でした・・・。これだけではもったいないので、9月に新婚旅行ドイツに行くので、持参して写真を撮ってこようと目論んでいます笑

店舗の移転などでお忙しいときに細かい点までご配慮頂き、ありがとうございました。何回か店舗に伺わせていただき、いろいろとお話できましたのも、楽しい思い出です。

おかげさまで、一生の思い出に残る素晴らしい式となりました。
心よりお礼申し上げます。

縫製担当の方にも、よろしくお礼をお伝えください。

とりいそぎメールにて失礼いたします。

K.T

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頂いたお写真です。

<てくまりんぼより>

本当にうっとりする美しい花嫁様です。
本物感を感じると言うか奥深さがあると言うか、上手く表現できる語彙力が無くてもどかしいです(笑)

またドレスには数々の付属品が付いていたそうです。ドレスと付属品についてお客様にお願いして書いて頂いたメッセージがとても素晴らしいので原文のままご紹介させて頂きます。

お客様のコメントの後、付属品の写真もご紹介しています。

■お客様のメッセージ■

原田様

ドレスの付属品の写真をお送りします。

ドレスの付属品として、レースの小さなヴェールやキャップ、ハンカチなどとともに、カード類や手紙、ギフトブック(青い表紙の本)などがついてきました。歴代このドレスを着用した花嫁さん達の思い出がつまっているとても興味深い品々です。

カード類によると、ドレスが作られたのは1909年のアメリカ、それから1930年代、1960年代と母、娘、孫と代々着用したようです。1960年代に書かれた手紙ではドレスのクリーニングや着用方法、保管を家族の誰に任すかなどが色々書かれていておもしろい。

その後も少なくとも80年代くらいまではこの一家が所有していたと思われます。100年以上経っているにもかかわらず、非常に状態が良いことからも、本当に大切に受け継がれてきたことが分かります。どのような理由で手離されたのかわかりませんが、ドレスもまさか日本に連れてこられるとは思わなかったでしょう。
もっとも、当時の絹の最大輸出国は日本ですから、実は里帰りしただけなのかもしれません。
アメリカから送られてきたときは、25センチ四方くらいの箱に収まっていて、だまされたかと思ったほど薄くて軽い生地です。その上にバテンベルクレースが貼り付けてあるのですが、デザイン、生地、縫製、全てが本当にため息がでるような職人技です。

今回その繊細な作りを全く損なわない形でサイズ調整していただいたてくまりんぼさんの職人技には本当に感謝しております。
ありがとうございました。

※付属品の中に入っていたハンカチで花嫁様がリングピローを作られました。

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<てくまりんぼより>
ウェディングドレスのリメイクはたくさんさせて頂いていますが、100年前のウェディングドレスと言うのは初めての経験でした。

ドレスを最初に拝見した時は正直申し上げて、どうしようかな?と思いました。

果たして当店でお受けできるのか?迷いました。

かなり変色していましたし、レース生地の劣化もありました。さわるとほつれていくのでは、と言う恐さもありました。

私は最初に拝見した時に、そこに『本物』を感じました。本当に美しいと思いました。それを歴代着られた方の想いまで感じ取る事が出来るような気がしました。

100年と言う年月を経て劣化はしていますが、それはそれは美しいドレスでした。

なすクリーニングさんと言うクリーニング店さんに最初お持ち込みになり、なすクリーニングさんより当店の事を紹介されて当店にご連絡頂いたそうです。

なすクリーニングさんは大変すぐれた技術をお持ちで、当店が一番信頼しているお店です。

当店がなすさんの事を信頼しているように、なすさんも当店の事を信頼してお客様にご案内下さったと思うと本当にありがたい気持ちです。

変色についてはドレスの上身頃とスカート部分の変色度合がまったく違い、変色を戻す、と言う事だけでも大変なのに上下違う変色を同一にすると言うのは相当な技術が必要であろうと思われました。

この変色については、なすクリーニングさんの技術力で解決して頂く事になりました。

劣化した生地の補強とご希望のシルエットに作り直す事は当店の仕事です。

なすクリーニングさんと当店てくまりんぼの二人三脚でこのドレスをK.T様のために美しくよみがえらせるお仕事をさせて頂く事となりました。

本当に当店に出来るのかな、と言う気持ちはありましたがこの美しいドレスをよみがえらせる事が出来るのは当店しか無いのかも知れないと思い、もしそうだとしたら少し大げさですが、このお仕事をお受けするのは当店の責務だと思いお受けしました。

強く扱うと壊れてしまいそうな繊細で美しいレース生地は今、同じものを手配する事が不可能なものです。大切に大切に作業をさせて頂きました。

シルクの糸で分からないように補強させていただき、お客様のご希望のシルエットにリメイクいたしました。

土台のシルク生地は劣化している箇所は近い色のシルク生地をお探しして補強しました。

私共に取りましても本当に勉強になるお仕事をさせていただきました。

K.T様本当にありがとうございます。このご縁に深く感謝申し上げます。