石川啄木の歌集「一握の砂」の中で特に好きなフレーズが有ります。

小学生の頃知ってそれから幾度となく心の中で繰り返し、情景を浮かべて勝手にほっこりして癒やされて来ました。
どう考えても普通の小学生じゃ無いですね。

年数経ちすぎているので文章は脳内変換されて原文と違うかもしれません。

【石川啄木 一握の砂より】

何事も思う事なく日一日
汽車の響きに心任せぬ

さいはての駅に降り立ち 雪あかり
さびしき町に歩み入りにき

今夜こそ思ふ存分 泣いてみんと泊まりし宿屋の茶のぬるさかな

(ここまで)

いい歌です。泣けてきます。年のせいでしょうね(笑)

自分が北国を旅して汽車に乗っている気分になります。

さらに最後『今夜こそ思う存分・・・』からのフレーズは特にグッと来ます。

小学生の頃からなぜかこのフレーズがグッと来ていたのですが、その年代によって感じ方も変わりつつそれでも根本的に魅かれている部分は一緒なんだと思います。

人と接している時の自分とひとりになった時の自分。どちらも本当の自分なんだと思いますがひとりの時はより自分の内面を見つめる事になりますよね。

普段、社会にもまれ、人に揉まれてギリギリ頑張っている男性像もこの歌詞から浮かんできます。一人旅に出て、自分の内面を見つめ、抑えていた感情を解放する事を望んでいるであろう姿が今の自分と重なり合って感じます。

起業してからビジネス書ばかり読むようになったのでこう言った情緒あふれる文体は逆にとても新鮮です。

日本語の美しさを感じます。

一握の砂、またいつの日か真剣に全文(相当長かったと思います)読んでみたいと思っています。