先日、あるお客様が100年前のヨーロッパのウェディングドレスをお直しのご依頼でお持ち込みになりました。
とても美しいシルクの手縫いドレスです。レースも美しい。
博物館に並んでいてもおかしく無い感じです。私共も長年、ウェディングドレス作りをさせて頂いていますがここまでのビンテージものは始めてです。
100年前なのでレースも手編みだと思います。手編みのレースをシルクの生地に1針ずつ縫い付けています。
レースに変色が見られるものの土台のシルク生地はそれほど劣化が進んでいません。たぶんアイボリーのシルク生地は100年前は真っ白だったのかも知れませんがいい感じにアイボリーになっています。普通、シルク生地が変色すると色ムラが出るのですがそれが無いのが驚きです。とにかく美しいドレスです。
ここまで保存状態がいいというのは、どれほど大切に保管されていたかと言う事がうかがえます。3人の花嫁さんが着られたそうです。素晴らしいお話です。
元々ウェディングドレスと言うのは代々受け継ぐものです。
日本のレンタルドレスの有り方を改めて考えさせられます。右へならえのただ豪華に見えるだけのデザイン。
そこには心が無いです。この件は言い出したら止まらないので又の機会に。
本当に素敵なドレスのお直しをさせていただく事に大感謝です。